コンピュータを買うということ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0730/bcn.htm
PCが売れなくなっていると言う。デジタル家電やエアコンに押されている、と。
昔X68000というパソコンを買った。
NECのPC-98シリーズ全盛の時代、なぜマイナーな機械を買ったか。
もちろんゲームもやりたかったけどね。グラディウス標準で付いてたし。
でも一番の理由はCPUがモトローラのMC68000だったから。
当時アセンブラをメインにプログラムを組んでいた私は、搭載するCPUがそのまま買いたいコンピュータだった。
そんな時代、68000は憧れのCPU。
VAXライクなほほ直行性のあるアーキテクチャ。16ビットでありながら、ほぼ32ビットと言っていい命令セット。
一時期はSORD M68の購入を真剣に考えたこともある。結局買わなかったけど。
それに加えて、X68000には見た瞬間わくわくする、何かがあった。
ソフトもOSも整備されてなくて荒削りだけど、欲しいと思わせる何か。
「今までにはない、何か」が確かにあった。
ご存じのように、現在PCの世界では事実上Intelが独占している。
OSも事実上マイクロソフトのOSの寡占状態が続いている。
PCはとても使いやすく、いろんなことができるようになった。
ソフトもハードも、ほとんどのPCで使うことができる。
でも、ぼくはもう何年もの間、PCに対する興味を失っている。
CPUはもうこだわってないのに、なんか面白くない。新しいPCが出ても、わくわくしない。
どれも同じようなものにしか見えない。
それだけ市場が成熟してきたということなのかもしれない。
でも、一部の企業が独占している状態は、あまりヘルシーであるとは言えないと思う。
その弊害で、新しい何かが生まれにくくなってきているんじゃないかな。
携帯電話、HDDレコーダー、デジタルカメラ、プラズマテレビ、といった、いわゆるデジタル家電が売れるのは、昔ぼくがX68000に感じた「今までにはない、何か」があるのだと思う。
今やPCでしかできないことはだんだん少なくなっている。
昔のPCがいいとは言わないけど、このままの状態が続く限り、PCが一番になれる日は永遠に来ない。