プログラマyasuhoの隠れ家

某ソフトウェア企業に勤務するおじさんプログラマyasuhoです

究極の16進電卓


HP-16Cという電卓がある。


今から20年ほど前に買ったものだが、今でも現役である。
上記ページには$150と書いてあるが、当時はなんと5万円(!)ぐらいしたと思う。
この時代、なぜかHPの電卓は三越で売っていたのだが、もしかしてボラれていたのか!?


この電卓、RPNであるとか、普通の電卓にはない色々な特徴があるのだが、最も特徴的であると思うのは、プログラマ(特にアセンブラを愛するプログラマ)泣かせのスペックである。
2/8/10/16進変換、AND/OR/XOR等の論理演算ができるのはもちろんなのだが、それだけではない。
シフトに加えて、ローテート、それもキャリーフラグを含めたローテートが可能だ。
上記サイトから電卓の印字面を見ると、まさにアセンブラ命令そのものな刻印があることに気づくだろう。


数値の桁数もビット単位で56ビットまで指定でき、符号あり・なしを選択できる。オーバーフローすると、ちゃんとオーバーフローフラグがセットされる。もちろん減算して負の値になるとキャリーもセット。
スタック二段を倍精度に見立てた除算まで用意され、スタックそれぞれに除算結果と余りが格納されるという懲りようである。


プログラムを入力して実行させることもできる。
レジスタ直接、レジスタ間接、条件分岐、サブルーチンコール等、一通り用意されている。
外部にセーブ・ロードするインタフェースがないのが残念であるが。


欠点といえば、浮動小数点演算と通常の演算が完全に分離されていることだろうか。
小数点付きの演算をして、それを16進に変換、ということはできない。
このへんも非常にアセンブラ的なのであるが。


まさに究極の16進電卓と言ってよい。
すでに生産も終了し、オークション等で入手するしか手段がないようだが、アセンブラでプログラムを書いたことがある人にはおすすめだ。
実際の利用形態としては、四則演算と10<->16進変換がほとんどなので、数万の価値があるかどうかは?だが。
まあ世の中そんなものがあってもいいんじゃない!?:)