プログラマyasuhoの隠れ家

某ソフトウェア企業に勤務するおじさんプログラマyasuhoです

バンダイとナムコ、経営を統合 - 最近のゲーム業界に思うこと


スクエニの話といい、最近多いね、この手の話。
それだけゲーム業界全体の市場が縮小してきたということかな。


http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20050502/b_n2.htm


ユーザのゲーム離れが進んでいるそうで。


ゲームの多くがパターン化し、ヒットゲームの続編ばかりでは、ユーザのゲーム離れが進んでも仕方ないよね。
ゲームメーカもそれはよく分かっていると思うけど、昔と違って多くの制作費を必要とするゲームだから、あまり冒険できないというのも正直なところかな。
昔と違って今は多くの情報があるから、内容が全く分からない状態で新しいゲームを買うって状況もほとんどないし。


もう一つは遊ぶゲーム機の傾向が変わって来たことも影響しているんじゃないだろうか。
昔はファミコン向けソフトだけ作っていればよかったが、今はPS2/GCをはじめ、GBA/NDS/PSPといった携帯ゲームもある。
ゲームメーカとしても、そんなに多く作れないから、どうしてもPS2などの据え置き機に集中せざるを得ない。


けど、昔ファミコンで遊んでいたゲーム世代は現在社会人で、据え置きゲーム機で遊ぶには深夜睡眠時間を削ってやるしかないのよ。
子供も親の目が光っている家でゲームをするより、外で携帯ゲームを使い、友達と通信したりする方が自由がある気がする。
NDSPSPが売れているのは新しいゲーム機ということもあるが、そんな時代のニーズに合っているからなのではないかと思う。


かたやゲームマニアに目を向けると、パソコンゲームに戻ってきているような気がする。
いまやPCの性能は飛躍的に向上し、最新ゲーム機にも迫る性能を持つ。
MMORPGなどのようなネットゲームも、パソコンの方が種類が多く、操作性もよい。
据え置き機でもネットゲームができないことはないが、環境整備などを考えると、まだまだ敷居が高い。


ゲームをする人が極端に減ったわけではなく、現在のゲーム環境が多種多様化した結果、ゲームの収益が分散してきたんだと思う。
それはたとえばCDの売り上げ落ちているからと言って、音楽に興味を持つ人が減ったわけではないのと同じことじゃないかな。
CDというメディアを買う以外に、携帯プレイヤーとか、レンタルCD屋さんとか、いろいろな方法が増えただけ。
きっと、現在ゲーム業界が着目しているところと、ユーザの求めている形にギャップが生じてきたんだよ。


そろそろゲーム機も、パソコンのようにプラットフォームを統一化する時が来たんじゃない!?
いろいろなゲーム機で遊ぶ人に対して、多くのソフトを対応させるには、プラットフォームあるいはフレームワークといった共通の環境が必要。
そうすれば、他の機種に移植するというパワーを別の部分に使うと同時に、ソフトウェアのコストを下げることが出来るんではないかと。
もちろん各社利権の問題があって難しいとは思うけど、ゲーム業界自体が衰退しちゃったら、悲しいでしょ。


パソコンの創世記は、OSどころか多種多様なアーキテクチャが存在した。
それはそれでなかなか面白かったけど、ソフト会社は多くの労力と予算を使ってソフトを他機種へ移植し、ユーザもゲームのためにパソコンそのものを選ぶ必要があった。
その中からは現在のような巨大な市場は生まれなかっただろう。
そこを変革したのがウィンテルであることは言うまでもないよね。


プラットフォームが統一されちゃったら、みんな同じになって面白くないって!?
そういうこともあるかもしれないけど、でもみんなは面白いゲーム機を使いたいんじゃなくて、面白いゲームで遊びたいんだよね!?
開発ソフトが下がり、移植の手間が減ることで、メーカはもっといろいろゲーム制作そのものに集中できるんじゃないかって思うんだ。


ゲームユーザは飽きたんじゃなくて、新しいゲームの登場を待ってるんですよ。
別に共通プラットフォームじゃないとダメってわけじゃなくて、今までにない新しいゲームにもいっぱい挑戦できるような、業界の体制。
そういうのができれば、今はゲームをしなくなってしまったユーザも戻ってきますよ、きっと。