プログラミング以外の仕事は可能か?
私が思うに、Bill Gatesさんは一番大切なことは会話であると言っているように思います。私はまだまだ上手に人と会話することが出来ないし、Bill Gatesさんには遠く及びませんが、相手の話を聞いて理解し、正しく受け答えをする訓練はこれからも怠らないようにしたいと思います。
Bill Gates氏引退表明
先週のBill Gatesさんの引退表明。長年パソコンと付き合ってきた私だけでなく、みなさんいろいろな思いで今回の引退表明をご覧になったのではないでしょうか。
多くのウェブサイトで速報や特集記事が組まれましたが、中でも私が印象に残ったのは以下のインタビューです。
B・ゲイツ&S・バルマー両氏に聞く--ゲイツ氏とマイクロソフトのこれから
Ballmer:さまざまな知識や情報を吸収し、いろいろな概念を結びつけ、それを何かに役立てるという能力に関して、Billにかなう人間はいません。
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どんな組織に対しても、Billに貢献させることができるところには「あなた方は運がいい」と私は言うでしょう。たとえ、ITの世界とはどれほど畑違いの分野であってでもです。
私がプログラマとしての仕事をつづけていて、ずっと考えていることがあります。それは「私は今やっていること以外の仕事はできるのだろうか」ということです。
もしコンピュータ以外の職種についたとしたら
プログラマという仕事を初めて数十年あまり。ずっとソフトウェア開発の仕事をしてきました。私がこの職種にこだわっているのは、もちろん大好きであるということもありますが、他の仕事は出来ないのではないかという不安があるからです。
私は決して頭のよい方ではありません。どちらかというと、のみこみが悪くトロい方です。人との会話も苦手。そんな私がなんとか会社でやってこれたのは、人よりちょっとばかりプログラミングをうまくすることが出来たから。
自分のことを嘆いているわけではありません。そういう職種に早くから出会えたことは幸せだと思っています。でも時々思うのです。もしもコンピュータと全く関係ない仕事をするとしたら、私は今と同じ程度のことが出来るのだろうかと。
大切なことは会話
さきほどのインタビュー記事でのBill Gatesさんの言葉です。
財団での仕事には、Microsoftでわれわれがやっていることと相通じるものが多くあります。たとえば、「Xbox」や、次のバージョンの「Exchange」などについては、私は専門家ではありません。しかし、それでも「これについては考えたか、あれについてはどうだったか」と問いかけることはできます。
私が思うに、Bill Gatesさんは一番大切なことは会話であると言っているように思います。
プログラマはあまり人と会話しないようなイメージがあります。しかし、実際にはコミュニケーションはとても大事です。相手が話していることを正しく理解し、正しく回答や反論をすることが出来なければ、プログラムを仕様通り作ることは出来ないでしょう。
そのことはプログラミングに限らず、どんな仕事でも同じはず。私はまだまだ上手に人と会話することが出来ないし、Bill Gatesさんには遠く及びませんが、相手の話を聞いて理解し、正しく受け答えをする訓練はこれからも怠らないようにしたいと思います。
人と違う能力があると自分が相手より優秀だと考えてしまいがちです。でも、それは多くの場合興味の度合いが違うだけで、相手にとって不可能なことではないことが多いです。知識だけで慢心せず、相手と同じ土台で話し合う努力をすることが一番大切なのではないでしょうか。