プログラマyasuhoの隠れ家

某ソフトウェア企業に勤務するおじさんプログラマyasuhoです

あなたはアプリがどんな風に使えたら便利だと思いますか?


ITpro Enterpriseより:


ソフト開発者の「横暴」とは?:ITpro

「家電や業務ソフトを作っている人たちは,すぐに操作方法をマニュアルとして書きたがる。これは良くない。マニュアルなんて読ませてはいけないんだ。マニュアルを読まなければわからないユーザー・インタフェースなんて作ってはいけない」


家にある電気製品の中で最も使い方が難しいのがパソコンのソフトウェアです。それ以外の電気製品はほぼ直感的に使うことが出来ます。TV・電子レンジ・洗濯機・エアコン。これらは基本的な使い方であればマニュアルを見なくても使えます。


「家電製品とソフトウェアでは機能の多さが違う」たしかにそれは理由に一つかもしれません。でも、ゲーム機とゲームソフトはどうでしょう。小さな子供でも、多くのコマンドを使いこなして複雑なロールプレイングゲームなどを楽しんでいます。携帯電話も多くの人はマニュアルを見ずに使いこなしているでしょう。


パソコンのソフトはどうでしょうか。多くのソフトはマニュアルなしで使うことは難しいように思われます。それにはいろいろな理由が考えられますが、最も大きな原因はソフトウェアの操作に慣れていない人のことを考慮していないということなのではないでしょうか。


例えばドラクエなどのロールプレイングゲーム。プレイヤーは最初からいろいろなことが出来るわけではありません。最初はごく限られた魔法しか使えず、それを覚えたころに新たな魔法が使えるようになる。そしていつかは、多くのコマンドを使いこなせるようになっていきます。


家電製品も基本的な機能だけは大きく目立つ位置にボタンがあり、細かい機能は目立たないもしくはフタでおおわれているものが多いです。ゲーム機も家電製品も、使う人は決してその機械に慣れ親しんだ人とは限りません。


それに対してパソコンのソフトウェアは、はじめからパソコンやソフトの操作に慣れていることを前提としているように思われます。ソフトウェアの操作に慣れていない人のことを考慮していない。それは突き詰めていくと、最初から多くの機能が見えすぎて、自分の目的にたどり着けないということなのだと思われます。


何か使いたい機能があった時、直感的に目的のコマンドへたどり着くことが出来る。それはよく使うメニューをツールバーにしたり、初心者メニューの採用といったものではなく、人が何かしようとした時に取る行動を予測し、そこへ誘導するような仕組みが必要なのだと思います。


例えばマウスとキーボードでやりたいことをジェスチャーすると対応機能が現れる。デスクトップ上のプリンタアイコンにマウスカーソルを持っていくと、印刷機能が出てくる。テキストをつまんで動かすとイタリックになったり大きさが変えられる。これらは私の思いつきですけど、考えればいろいろ出てくることでしょう。マウスやキーボード以外の入力デバイスも想像しやすくなるかもしれません。


そんなふうに考えていたら、以下の記事が目に止まりました。


矢沢久雄のソフトウエア芸人の部屋 【第3回】 このごろオブジェクト指向セミナーの人気が高まっています

アラン・ケイが来日した際のインタビュー記事が、IT Proにあります。インタビューアは、私たちが最も知りたいことを聞いてくれています。「どのようにしてオブジェクト指向を思い付いたか?」です。その答えは、「普通の人がコンピュータについて考えるようなことではなく、生物がどのようにして複雑な構造を作るかを考えた」です。


直感的に使えるユーザインタフェースって何でしょう?現在のWindowsやMacのようなユーザインタフェースは最善ではありません。プログラムの実装方法にとわられず、生物がどのように行動するか。時には考えてみることも必要なことではないでしょうか。


あなたはアプリがどんな風に使えたら便利だと思いますか?




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