プログラマyasuhoの隠れ家

某ソフトウェア企業に勤務するおじさんプログラマyasuhoです

戦うプログラマになるな


The Joel on Software Translation Projectより:

「私のミスです」と言うのに抵抗を感じるのはまったく自然なことだ。人とはそういうものなのだ。しかしこの一言が、怒っている顧客を幸せな顧客に変えるのだ。だからあなたはそれを言う必要がある。そして心から言っていることが伝わる必要がある。

http://local.joelonsoftware.com/mediawiki/index.php/%E8%A8%98%E6%86%B6%E3%81%AB%E6%AE%8B%E3%82%8B%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AA%E3%82%AB%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%9E%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%E3%81%B8%E3%81%AE7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%83%E3%83%97


カスタマーサポートに限らず、顧客と仕事をしたことがある人であれば、こういったトラブルを経験したことは一度や二度ではないでしょう。実際はちょっとした意見の相違や思い込み、あるいは勘違いであることが多いのですが、なかなか簡単には収まらないことがあります。


トラブルの原因としてもう一つ考えられるのは「プライド」でしょうか。それはお互いに理解したいと思う気持ちを阻害してしまうことがあります。仮に妥協して相手の意見に合わせたとしても「この人納得してないな」という気持ちは伝わってしまうものです。そんな時は互いに気まずい思いをすることが多いのではないかと思います。


短時間で問題解決をする必要があるカスタマーサポートなどでは、まずは謝るということも必要なことだとは思いますが、理想から言えば相手に「私の話をちゃんと聞いてもらっているな」と思わせることが大切なのではないでしょうか。いきなり謝るだけでなく、何が問題なのを辛抱強く聞き、一緒になって解決しようという気持ちが伝わると、顧客は信頼してくれるものではないかと思うのです。まあ実際にはそんなうまくはいかないのですけれど。

「どういうことですか? 彼は失礼なんかじゃない! 彼はいいウェーターだ! 今まで苦情を受けたことなんかない」


さて、私の経験ではプログラマにはプライドの高い人が多いように思います。プログラムに何か問題があった時、プログラマはどのように対応してくれたでしょうか!?「それは仕様」とか「私のところでは動いている」とか言われたことはないでしょうか。問題を発見してあげたのに、なぜか冷たくあしらわれる。そういった時我々プログラマはどのように対応すべきなのでしょう。


プログラマがこのような反応をしてしまうのはいくつか理由があると私は考えています。一つはプライドの高さからくるもので、もう一つは自分の書いたプログラムに対する愛着です。


プログラマにとって苦労して作ったプログラムは我が子同然です。よって我が子の問題を見つけるテスト担当者やユーザはにっくき敵。頭ではソフトウェアに問題があるのではないかと思っていても、冷静になれないのですね。


加えてユーザが知りたいこととプログラマが考えていることのギャップが挙げられると思います。プログラマは問題の原因をソフトウェア構造の観点から説明しようとすることが多いのですが、それはユーザにとって知りたい情報ではないですよね。


もちろん技術サポートをうまく行うプログラマも大勢います。私の経験では、そういった人は話術やテクニックではなく、ちゃんと顧客の話を聞き、何が問題かを一緒になって考える人が多いようです。自分や自分の作ったソフトウェアを守ろうと戦うのではなく、相手の気持ちになって考えること。問題を客観的に見ること。当たり前のことですが、それこそがプログラマに求められていることではないでしょうか。