ないもんは作らなしゃーないからな
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- 作者: THE SEIJI
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2007/12/20
- メディア: コミック
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やはりこれは購入すべき本だった。いやー、懐かしい機種がいっぱいだ。作者の方は間違いなくyasuhoと同じ時代を生きてこられてますね。第二巻も楽しみにしてます。:)
という懐古で終わる予定だったんだけど、一つだけ印象に残ったセリフがあった。
ないもんは作らなしゃーないからな
当時は必要な機能やソフトは「ない」のが普通だったので、何かをするにはまず作るところから始める必要があった。マイコンが趣味ということはプログラミングも趣味と同義に近かった。プログラミングをせずマイコンでゲームだけする人はバカにされたものだ。
とはいえ、プログラミング環境はお世辞にもいいとは言えない環境だった。便利なデバッガはおろか、アセンブラすら満足になく、多くの人はハンドアセンブルをしていた。そうするとたいていの命令コードは覚えてしまう。マンガのことは誇張されてるけど、突拍子もない話じゃあないのだ。
機械語レベルで暴走するとどうにもならない。今のようにインターネットはおろかパソコン通信すらないので、ノウハウは書籍や雑誌の情報ぐらい。そんな環境のデバッグは文字通りの手探り状態。ない知恵を絞り、試行錯誤を繰り返して原因を特定していった。
当然便利なフレームワークやAPIもない。BIOSすらない。何かするにはまず解析から始まることが多かった。ROMを逆アセンブルし、使えそうな処理を探す。よく分からない部分はいろいろ試して使い方を予測する。そんなのは普通だった。
こう書くと苦しいことばかりだったって思うかもしれないけど、そうじゃなくて、難解なパズルを解いてるみたいですごく楽しかったんだよ。ないから仕方なく作るっていうより、純粋に作ることを楽しむって感じだった。
プログラミングが面白くなくなった
今となっては当時の技術はあまり役立たないかもしれない。よくこんな非効率的なことやってたなとも思う。けど、少ない情報から原因を推測する訓練は出来たような気がする。なくても何かできないか考える習慣がついた気がする。
「今のゲームは面白くなくなった」よく聞く言葉だよね。それって、昔のゲーム機はハードもソフトも貧弱だったから、その中で出来ることを一生懸命アイデアを考えて、用意された物以上のものを作ろうっていう情熱がユーザにも伝わってたから、面白いって感じてたんじゃないのかな。
昔のプログラミングが面白かったというのもたぶん同じような理由かと。ハードもソフトも大きくなって個人が見渡せる範囲じゃなくなってしまった。ソフトウェアは作るというより、作らされてる感が強い。プログラミングの本質的な面白さは変わってないんだけど、昔の楽しさを今求めるのは難しいってことなんだろうなあ。
え、老害ですか、やっぱし。:)