プログラマyasuhoの隠れ家

某ソフトウェア企業に勤務するおじさんプログラマyasuhoです

誰だよ、プログラマが減ってるとか言ってたヤツ。オレだよ(笑)


最近「プログラミングが好き」と言う高校生と話す機会があった(仮にT君と呼ぶことにする)。T君は若いのに研修の指導員をしていて、アウトドアも人としゃべることも大好き。いわゆるプログラマのイメージとはかけ離れているのだけど、専門学校でプログラミングを習っていて、とても好きなのだそうだ。


将来は決めていないようだったけど、ぼくがプログラマと知って興味深くいろいろなことを聞いていたから、IT業界も選択肢の一つにあるのかもしれない。


ええ、もちろん強力にこの業界をプッシュしましたとも。:)


以下はT君とyasuhoのやりとりから。

やっぱり労働時間とか過酷だったりするんでしょうか


残念なことにそういう職場があるのは事実だよ。でも多くはそれほどメチャクチャなわけじゃない。本当にそんな職場ばかりだったら、もっと多くの死者が出て社会問題化してるはず(笑)


特にこの業界は「プログラマは賃金の安い若い奴に書かせとけ」っていう悪い慣習が今でも残っているところがある。外から会社を見極めることは難しいけど、もしそんな風潮が見えたら、別の会社を考えた方がいいと思うよ。

これからどんな言語を覚えたらいいですか?


言語は流行すたりが激しいんだ。FORTRANCOBOLから始まり、マイコンではBASICが主流になった。これからはPASCALだって言われてたこともある。やがてCがブームになり、今はネットとハードの発達によって、スクリプト言語が流行ってるよね。わずか数十年の間にだよ。


どの言語を覚えるかは重要じゃない。大事なことは言語とその裏にある仕組みを理解することなんだ。そこさえ押さえていれば、何かの言語で覚えた知識はムダにはならないよ。幸いT君はC++が好きだと言うから、問題ないかな。:)

プログラマって、やっぱり人と話すのが苦手な人が多いのですか?


ソフトウェアって、誰かのために作っているわけでしょ。いいプログラムを作るには、使う人がどんなことを望んでいるのかを正しく理解しなくちゃならない。そのためには、人との会話が最も重要なんだ。ソフトウェアを作るために必要なのは会話が8割で、残り2割が仕様通りにプログラムを作る能力だと思う。


そういうのはSEの仕事だって!?違いは相手が利用者なのかSEなのかということだけで、意志疎通の重要性は変わらないよ。だからT君の人と話すのが好きっていうのは、プログラマになっても絶対役立つよ。

やっぱりヘンな人が多いんですか?


ぼくみたいな?(笑)


自分ではヘンだとは思ってないんだけど、気が付いてないだけかも。以前会社の研修で正確診断みたいなものをやったら「会社組織には不適合」みたいな結果だったし(本当)


なんていうか、一般的にはシャイな人が多いかもしれないね。自分からアピールすることをしないだけかと。話したら意外に普通だよ。ってぼくが言っても説得力ないか。:)

学校で習ったことって、仕事で役立ちますか?


全然役立たないってことはないけど、仕事するにはちょっと足りないな。


ぼくも会社に入る前まではプログラミングについては知ったつもりでいた。でも企業に入って、自分がいかに狭い世界にいたかも実感できた。ソフトウェアの世界は奥が深いよ。

最後にT君に聞いてみた


「どうしてプログラミングをしようと思ったの?」


「父がやっていたから」


どうやら彼のお父さんはTK-80やPC-8001といった機種を使っていたらしい。マイコン世代でプログラミングの好きなお父さん。たぶんyasuhoとも話が合いそうだ。


会ったことはないけど、お父さんはマイコンに夢中になっていたに違いない。そんなお父さんを見ながら育ったT君がプログラミングに興味を持つのは自然なことだったのだろう。


ちなみにT君は前述の通りすごく優秀で考え方もしっかりしている。高校生と話している気がしない。しかもいろいろなことが出来るから、IT業界も多くある選択肢の一つでしかないのだろう。それでもyasuhoの話を注意深く聞いている姿を見ると、やっぱりお父さんの影響が大きいのかなあ、なんて思う。

彼と話していて気がついた


ぼくがプログラマを目指すきっかけって、もちろん最初は友人がプログラミングに夢中だったからなんだけど、ぼくみたいな人が多くいたからなんじゃないかってこと。


当時はネットはなかったけど、工業高校の友人達はもちろん、秋葉原やマイコン雑誌などに、マイコンに夢中なやつらがいっぱいいて、yasuhoはそれに引っ張られていったような気がする。もしそんな人たちが少なかったら、これほどノメリ込んだりはしなかったんじゃないかな。


T君と話している時も、まわりには「IT業界はきついよね」っていう反応をした人も多かった。プログラマが減っていることを嘆き始めて、もう何年になるだろう。けど、そんな悲観的な人が多い場所に行きたい人なんていないよね。


プログラミングはこんなにも楽しいんだって伝えていくこと。こんなにも情熱を持つ人がいっぱいいるんだってアピールし続けること。そんな人たちが増えていけば、きっと仲間が増えていくんじゃないかな、ってyasuhoは思うのです。