ボクがマイナーを愛する訳
そうか、私は負け組だったのか(笑)
これを読みながら、僕はいままでの物欲人生を、振り返らずにはいられませんでした。
ベータマックス、シャープX1、X68000、セガ・マーク3、サターン、Macintosh、広島カープ……
なぜ、僕はこんなに「負け組」にばかり、肩入れしながら生きてきたのか。
ベータマックス、シャープX1、X68000、セガ・マーク3、サターン、Macintosh、広島カープ…… - いつか電池がきれるまで
ええ、ベータ(Hi-Band Beta含むED Beta除く)もX68000もセガ・マークIIIもサターンも持っていましたとも。Macintoshは給料3ヶ月分(当社比)で買えなかったけど、お金があれば間違いなく買ってたな。私のプロフィールにあるように、マイナーなガジェット多いです。メジャーなのも混じってるけど、たいていそれはメジャーになってから買ったもの。
マイナー好きなわけじゃないんだけど、マイナーだったものがメジャーになってしまうと興味が薄れるって傾向はあるかも。やっぱマイナー好きなのかもしれん :)
個人的に
「技術的に洗練された高性能なものが必ずしも勝利しない」と最初に思ったのは、80x86と680x0の争いだったな。
技術的に洗練された高性能なものが必ずしも勝利しないという現代エレクトロニクス産業の新「常識」は、ベータの教訓に始まった。
さようなら、ベータマックス。AVレビュー元編集長が見た誕生、敗北、そして終焉 (1/3) - Phile-web
8086のアーキテクチャを見た時、そのあまりの中途半端さに愕然とした覚えがある。なんだよセグメントって。16bitじゃなくて8.5bitぐらいだろこれ、って思った。案の定プログラミングには苦労し、32bit時代になって誰もセグメントレジスタを使わなくなった。intelとしては、あくまでも8bitから16bitまでの「つなぎ」だったのかもしれない。まさか21世紀になっても使われるとは想像もしていなかったことだろう。
そこへいくと68000のアーキテクチャは美しかった。VAXライクな(ほぼ)直交性のある命令セットは、アセンブラで組む時ですらあまり苦ではなかった。一時期UNIXワークステーションなどでもよく使われていて、これからのCPUはこれだ!って感じたものだ。X68000を買ったのも、これがCPUだったってことが大きい。いや、もちろんグラディウス同梱に惹かれたことも確かだけどさ :)
これがその後どうなったかは皆さんよくご存知の通り。
ベータの場合
ボクは工業高校出身で、当時の友人はみんなベータのデッキを持っていた。思えば、ベータは技術者好みだったのだ。ぼくらにベータを勧めた友人はなぜか松下(Panasonic)に就職したんだけどな(笑)
ともあれ当時給料の1.5ヶ月分(当社比)もするBeta hi-fiの初号機であるSL-HF77を買うことに、ボクは何のためらいもなかった。当時はレンタルビデオがようやく普及し始めた頃で、好きなビデオ(主にSF・ホラー)を借りるために、わざわざ片道1時間もかけて遠くのレンタル屋さんまで通ったものだ。当時はベータとVHSビデオはほぼ半々でレンタルされており、ベータであることに不自由を感じた覚えはない。
ベータの敗因についてはいろいろ分析されているけど、個人的にはベータのデッキが高かったことではないかと思う。SONYも高機能ばかりでなく、廉価版のデッキを多く販売していれば、世の中は変わっていたかもしれない。
つまり
勝ち組と負け組の差に、技術力はあまり関係ないのだ。それが利用者にとってどんな価値があり、かつそれに見合ったコストなのか、ということが勝敗の分かれ目なのだと思う。
対して、ボクが興味を持つものは、それが自分にとってどんな面白い技術なのかということ。そりゃ勝ち組になるものは少ないって :)
そんなわけで
ボクは今も、そしてこれからもマイナーを愛していくことだろう。売れるかどうかなんて関係ない :b