プログラマyasuhoの隠れ家

某ソフトウェア企業に勤務するおじさんプログラマyasuhoです

残業を減らそうだけじゃ、単なる思考停止じゃない!?

もう30年以上前の話。まだ社会人になって数ヶ月あまり、定時で帰ろうとした私を「ちょっとちょっと」と課長が呼び止めた。何かなと思って行くと「仕事というのは定時になったら帰っていいものではない」と説教された。「?」と思ったが、まだ新人だった私は素直にその日は意味もなく残業。それを見ていた先輩社員も「オレも昔はよく怒られたなあ」と言っていたから「そんなものなのかな」と思ったけど、今そんなことしたらパワハラものですな :)

IT業界に限らず、残業が減らない原因の根幹はこれだと思う

 表面的には「早く帰れ」「効率的に」などと言っていたとしても、本音の部分では違っていたりしますから、そのニュアンスは社員にも伝わり、どんな施策をとったとしても、その徹底度は薄れてしまうでしょう。

「何でもいいから4時に帰れ。できないなら辞めろ」…この命令は正しかった | ダ・ヴィンチニュース

結局のところ、いくら会社が「早く帰れ」と言っても、上司や同僚がいつまでも帰らなかったりすると、早く帰ることに後ろめたさを感じたりするわけです。上司や上の人が「ほらほら、早く帰って」とか言わないと、部下は「自分の評価が下げられたりしないだろうか」と不安になるもの。

根底にあるのは、数十年前の日本企業によくあった残業する人は頑張ってる人っていう価値観が今も企業の上の人に根強くあるということだと思う。残業をすれば企業の支出が増えるので、利益が減ることになる。長時間残業が続くと社員は疲弊し、作業効率が落ちる。結果、納期も伸びて、会社の支出は更に増える。はずなのだが、実際には残業してると怒られるどころか「頑張ってるね」と褒められたりする。

まずは会社の上の人に対する意識改革が必要だと思う。

あと

もう一つは日本企業によくある「みんなで一緒に頑張ろう」の弊害。作業が早く終わった/時間に余裕がある人は他の人の作業を手伝いましょう、ってやつ。

するとどうなるか。効率よく仕事を手早く終わらせる優秀な人に、終わらない人の仕事がまわってくる。いっぱい仕事がまわってくるのに感謝もされず*1、それにより評価は多少良くなったとしても収入アップにつながることは少ない。「こんなに頑張ってるのに、給料が変わらないなんて、どういうこと!?」という不満が募り、会社からは優秀な人からいなくなることになる。

そもそも

なぜ長時間残業が常態化しているのか。理由はそれこそ千差万別なはず。まずは原因を突き止め、それに対して有効な対策は何かを考えることが必要なはず。

たぶん本当の理由は言いにくいことなのだ。「今日は定時間日です。早く帰りましょう」なんて、見たくない事実から目を背けるための言い訳なのだ。

残業を削減するのは手段の一つであって、目的じゃないはず。

最終的には

不満の多くはお金なのです。「自分はこれだけ頑張ってるんだから、それに見合った見返りが欲しい」ってことかと。そこをうまくバランスするしかないんじゃないかな。

*1:必ずしもそうではないが、当然という扱いをされることが多い