プログラマyasuhoの隠れ家

某ソフトウェア企業に勤務するおじさんプログラマyasuhoです

W-ZERO3インプレッション


W-ZEROを購入して3週間あまり。もうすでに多くの人がレビューされていると思いますが、感想などをつらつら書いてみました。


無線LANや動画・音楽など、使っていない機能も多いですが、購入を検討している方の参考にでもなれば幸いです。

全体の印象


ぱっと見た目の印象は悪くないです。素材としてはプラスチックが多い感じですが、安っぽさは感じません。むしろ、そのことで軽量化に貢献しています。重量感はなく、持ち運びたくなるようになっていると思いますね。ポケットに入れると、ちょっとかさばりますが、ずっしりした感じはないです。


操作系はWindowsっぽく見えて、実は違うので、XPなどに慣れている人は最初違和感を感じると思います。しばらく使っていれば慣れますけど。


液晶は大きくてきれいです。このサイズでVGAなのに、小さい文字もはっきり見える。さすがシャープさんって感じ。画面が大きい分思いがけずタッチしてしまうので、持ち運び中キーロックは必須。

キーボードの使い勝手とか


さわってすぐ気がつきますが、配列が特殊なので、最初戸惑います。例えばパソコンのキーでEはDのすぐ上にありますが、Dの上はRなので、感覚的にキーが打てません。ただ、これは慣れればけっこう打てるようになってきます。私は携帯で文字入力はほとんど出来ませんが、これはけっこう軽快に入力できますね。


ストロークは当然浅いですが、適度にクリック感があって、心地よいです。この手の携帯端末にありがちな「押したのに表示されない」ということはありません。小さいながら、よく出来ていると思います。


IMEは初期のXPに内蔵されていたMS-IMEの感じでしょうか。まあ普通です。そうそう、モード切り替えは5パターンのループなんですが、ローマ・半角英数の2種類にしたいです。そのくらいかな。

バッテリーの持ち


ポケットPCを使うのは初めてなので、いい悪いはよく分かりませんが、一日いっぱい持つのは実用十分ではないかと思います。私の使い方だと、朝満充電状態で出かけて、朝昼夕30分程度電車でネットを見て、後は待ち受け状態で、夕方にバッテリー切れの警告が出る、といった感じでしょうか。毎日充電するか、予備バッテリーは必要かも。


無線LANを使うとかなりバッテリーがなくなるようですが、PHS通信ではそれほど電池の減りは気にならない感じです。

PHS通信機能


Willcomを使う時、料金プランはけっこう悩むところです。いろいろ考えた末、私は「使い放題1x」にしました。理由は私の使い方だとテキスト中心のブラウズが中心で、電話はほとんどしないため。最大32kbpsですが、ストレスはないです。


意外だったのが電車でも切れたりせず通信できること。私が通勤で使っている電車はけっこう速度が速いのですが、途中で切断されることはあまりないです。パケット通信だからかな?。さすがに圏外が続くと切断されることがありますが。


残念なのは通信中に着信できないこと。他の機種では通信中(アイドル中)でも着信可能らしいので、電話としても多く使う人は気を付けた方がいいでしょう。W-SIMの仕様と聞いていますが、もしそうならモジュールのアップデートで対応して欲しいな。


本体が軽いので、通話も思ったより自然です。まわりから見たらかなり奇妙に思われるかもしれないけど、データスコープを使っていた私としては全く問題なし(笑)

ウェブブラウジング


さすがにブロードバンドに慣れてしまった今日ではPHSは遅く感じますが、モデム時代のネットだと思えば32kbpsでも問題ないです。blogやnewsサイトなど文字中心のサイトなら快適。何よりいつでもネットできるのは、これの最大のメリットでしょうか。


たいていのウェブサイトはそのまま見ることができますが、JavaやCGI・Flashなどを多用するサイトは見えないことも。テキスト専用と割り切り、画像表示オフで使うのがいい感じかな。


Operaも使ってみました。おおむね使いやすいですが、場合によってはIEの方が見やすい場合も。1月の正式リリースに期待しましょうか。

メーラー


メーラーについてはオフラインで読み書き、まとめて送受信といった使い方を想定しているようで、なかなか使いやすいです。ただ、送受信後はActiveSyncのように、自動的に切断してほしかったかな。慣れれば問題ないだろうけど。

その他内蔵ソフト等


内蔵ソフトはWord Mobileぐらいしか使ってません。ほとんどウェブとメイル。フルキーがあっても、やっぱり閲覧がメインになります。


WordはXPのWordPadの感覚。個人的には普通のメモ帳を付けてほしい。まあ、これはWindows Mobileの標準仕様なのかな。


予定表や住所録などPIMとしては、入力項目の多さや操作性などの問題で、ちょっと使いづらい気がしますが、もしExchangeサーバを使う環境があれば、ActiveSyncでいつでも同期出来て、とても便利。使い勝手を求めるのであれば、フリーソフトなどを探した方がいいかも。

アプリケーション開発環境


アプリケーションはマイクロソフトが提供しているVisual Studio 2005あるいはeMbedded Visual C++で開発できます。エミュレータも付いていて、開発はしやすいです。私は無料のeMbedded Visual C++を使いましたが、普通に使えました。Visual Studio 2005なら、もっと高機能なのかな?


エミュレータデバッグしたら、ARMV4でbuildして、ActiveSyncかminiSDカード経由でアプリを本体に転送して、実機でexeを実行、というのが一連の流れでしょうか。


プログラムはPCのWindowsとほとんど同じです。Windowsアプリのプログラミング経験がある人なら、すんなり入っていけるはず。ただ、機能的にサブセットだったり、Windows Mobile特有のものがあったりします。APIは使う前にヘルプを見て確認を。ここの開発者向け情報なんかも役立ちます。

まとめ


全体としては荒削りな感じは確かにあります。安定性や使い勝手の面では最新の携帯電話やPHSの方が上でしょう。


それでもぼくがこれを買おうと思ったのは、これを作った人がモバイルのことをよく理解していると感じたから。いろいろ理由はあるけど、こういうものを支持していきたい、もっとこういうものが増えて欲しい、という気持ちが大きいです。これが売れたことで、ぼくと同じものを求めている人は多かったんだなあと思って、ちょっと嬉しかったり。


あと、ぼく自身モバイルや小物が好き、ってのもありますね。デスクトップよりノートPCが好き。そしてネットが好きということ。ブロガーやネットワーカーはこれを好きになる人が多いのではないかな。


最後に購入を検討されている方へ。何でもそうですけど、この手のデバイスにはある程度の割り切りが必要です。PCの置き換えであるとか、何でも出来るといったようには考えない方がいいです。小さいデバイスゆえ、出来ることもあれば出来ないこともある。これをどう使うかイメージして、できれば店頭でデモ機などもさわってみるのがいいでしょうね。