プログラマyasuhoの隠れ家

某ソフトウェア企業に勤務するおじさんプログラマyasuhoです

BASICは優しい言語じゃない

 この2年間で、子どもを対象とするオープンソースプログラミング言語とユーティリティの数は爆発的に増えた。こういった活動の根底にあるのは、 BASICの時代と比べてプログラミング環境があまりに複雑になり、専門知識のない若年層にはハードルが高すぎるという考えだ。あるツールキットは若年層にアピールするゲームやアニメーションなどのプロジェクトを構想、作成するまったく新しい方法の考案を目指し、またあるツールキットはBASICの“ベーシック”性をモダンな言語と環境に再現しようと取り組んでいる。

Beginner's Guide:子ども向けのオープンソース・プログラミング言語 (1/2) - ITmedia エンタープライズ


プログラミング環境の複雑化が初心者のハードルを上げていることは否定しないけど、個人的には他にも要因があると思う。

ていうか、BASICは優しい言語じゃなかったよ


昔のBASICは覚えることも少なかったし、手軽にプログラミングを始めるにはよかったかもしれない。けれど、プログラミングがたやすい言語ではなかった。


ちょっと大きなプログラムを作ろうとすると、GOTOの乱立と変数の衝突に悩まされることになる。便利なライブラリなんてないから、何をするにも自分で書かなきゃならない。加えて処理速度の遅さ。実用的な速度を得るためには、多くの場合アセンブラの力を借りなければならなかった。


今のようにインターネットなんてないから、分からないことは自分で調べるか、雑誌の情報を見るしかなかった。もちろん掲示板なんてないから、質問は雑誌に投書。運良く採用されたとしても、答えが来るのは数ヶ月待たなきゃならない。

それでもマイコンを使い続けたのは


使うこと自体がワクワクするものだったから。


当時のマイコンの広告によく出てきた言葉が「無限の可能性」。ハードもソフトも貧弱だったんだけど、みんなは本気で可能性を信じていた。というより、まだまだ未発達であったが故に、将来発展する可能性が大きかったというのが正しいところかな。しかも当時はまだまだ素人の出来る余地がいっぱいあったし。


プログラミング環境は厳しかったけど、大変さより楽しさの方が勝っていた。隠された機能を探したり、試行錯誤でシステムを解析する作業はパズルのようだったから、それを見つけだした時の喜びも格別だったよ。

プログラミングって


やってみれば分かるけど、けっこうメンドイ。導入が簡単でも、深く知れば知るほど面倒でイヤになる人もいるかもしれない。もしも本当に楽しいところに行き着く前にあきらめてしまったとしたら、それはとてももったいないことだと思う。


30年前に比べてコンピュータは格段に進化したけど、ワクワク感はなくなってない。ただ、昔より見えにくくなっているだけ。コンピュータやプログラミングの楽しさに少しでも多くの人が気づけるような、そんなことが出来たらいいな、と思ってる。