プログラマyasuhoの隠れ家

某ソフトウェア企業に勤務するおじさんプログラマyasuhoです

普通の人たちに偉大な仕事ができない理由


先日ようやく読み終わりました。


闘うプログラマー[新装版] ビル・ゲイツの野望を担った男達

闘うプログラマー[新装版] ビル・ゲイツの野望を担った男達


いやー面白かった。何よりちゃんとストーリーになっている。それもよくある美化されたサクセスストーリーなんかじゃなくて(NTの成功という意味ではそうだけど)いかにも開発の現場といった泥臭い人間同士のぶつかり合いがテーマなんだよね。


そこには開発に携わったことがある人なら誰もが知っているシーンが凝縮されています。

  • 突然の方針変更
  • ワガママなプログラマを何とか説得するプログラム管理者
  • 営業サイドと開発における要求仕様のギャップ
  • 激務に消耗仕切っていく開発者たち
  • デスマーチ
  • リリース寸前で出てくる致命的なバグたち

この本のクライマックスは第十章のショーストッパーだと思います。原題をそのまま邦題にすればよかったのにー。:)


主人公はデーブカトラーなんだけど、この物語では誰もが主人公で、それぞれの人生や仕事の姿が描かれています。それぞれの関係を読み解いていくのも面白いかも。


特に印象的だったのは開発の様々なシーンにおける姿勢とか心構えのようなもの。現場の士気を上げる方法。複数の仕様があった場合、どのように選択するか。各開発のフェースにおいて何を重要視し、何を捨てるべきか。そういったヒントがこの本には溢れています。反面教師的なところもあるけど(笑)

普通の人たちに偉大な仕事ができないのは、めったにない仕事に取り組んでいるときですら、日常の習慣にとらわれているからである。月並みな仕事しかできないのは、才能がないからではない。意思に問題があるからだ。カトラーはそう考えている。


肝に銘じます。^^;


ソフトウェア開発に携わっている/いた人はもちろん、恋人や友人に自分の仕事を理解して欲しい時、読んでもらうのもいいかもね。:)