プログラマyasuhoの隠れ家

某ソフトウェア企業に勤務するおじさんプログラマyasuhoです

親父とタイタニック


これを見て、親父のことを思いだした。


http://tana.pekori.to/tear/log/0112.html


親父はとにかくメカが大好きだった。
小さい頃はラジオを組み立てていたらしい。
やがて記者となってからは、公私共にカメラを使いまくっていた。
ぼくがコンピュータを好きなのも、親父のDNAを受け継いでいるからだろうね。


そんな親父がパソコンにハマるのも、必然だったと思う。
もうあまり使わなくなったX68000をあげると、喜んで使っていた。
今のパソコンと違って、決して扱いが簡単ではないコンピュータを一生懸命使っていたのは、やっぱり好きだからかな。
ワープロとして使ったり、ゲームで遊んでみたり、いろいろやっていたようだ。


だが、やはりX68000は難しかったようで、よくぼくに質問していた。
あまりに質問が多かったので、ある日ぼくはキレてしまう。
「いつもぼくに聞くんじゃなくて、まずは説明書を読んで、それでも分からなかったら聞いてくれる!?」
それ以来親父はあまり質問しなくなった。


時は流れ、やがて親父は当然のごとく、ウィンドウズパソコンとデジカメに夢中になっていく。
パソコンがDVDを再生できることに興味を持ったようで、ある日実家に帰ると、一本のDVDがあった。


買ったソフトは、なんとタイタニック


タイタニック [DVD]


寅さんとか、昔の日本映画を買うかと思ってたよ。:)
なかなかいいチョイスじゃないか。
なぜこれを選んだかは分からないんだよな。
もしかして母親が見たかったのかも。


親父が亡くなってから葬式が終わるまでの間、ぼくはあまり泣かなかった。
俺って冷たい奴なのかな、って思った。
慣れないことに緊張していたせいだろうか。


一通り落ち着いてから、もらってきたタイタニックを家で見る。
やがてラストシーンとスタッフロールが始まった頃:


・・・


涙があふれてきた。


これを買った時の親父のことを想像したら、なんかすごく切なくなってきたのだ。
もっとパソコンのこと、教えてあげればよかった。
インターネットをやりたいと言っていたのに、どうしてやらせてあげなかったんだろう。
そんな想いがあふれてきて、悲しみが止まらなかった。


それ以来、TVとかでタイタニックを見ると、なんか切ない気持ちになる。


親父のパソコンは今もぼくの家で使われている。
そろそろまたバックアップを取らなきゃな。
単に思い出の品というだけでなく、日記とか写真とか、いろんな思い出が入っているからね。