プログラマyasuhoの隠れ家

某ソフトウェア企業に勤務するおじさんプログラマyasuhoです

あなたのまわりにプログラマは何人いますか?


プログラマが減っている大きな理由は、以前よりプログラミングに触れる機会が減ったからだと思います。もしもそれが事実なのであれば、とても悲しいことです。プログラミングの楽しさを知る機会は、もっともっと増えてほしいと思います。

プログラマを目指す人が減っている


hyoshiokさんの日記で見つけた記事から:


「ウェブ進化論」の梅田望夫氏が語る“Googleという隕石”(後編):ITpro

−− ただ、若手の間で情報産業は人気が落ちているようです。東京大学情報工学科が定員割れしたとか。

梅田氏 米国でも、コンピュータ・サイエンスを志望する学生は減っています。大きな原因はオープンソースだと私は思います。ソフトウエアのスキルを身につけても、「ソフトウェア・ベンチャーを起こして一攫千金」という期待感が縮小しているし、飯が食えるソフトウェア開発の仕事はアウトソーシング先との価格競争で先行き厳しい。そういう大きな流れの根源にオープンソースがある。


プログラマが減っている。なんかよく聞く話ですが、実際に減っているんですね。IT業界そのものは以前に比べて飛躍的に伸びていますが、それでも減っているということは、かなりの人がソフトウェアを作るということに魅力を感じなくなっているようです。

なぜ減っているのか


ソフトウェアの開発技術は昔に比べて格段によくなりました。バブルの時代は過ぎたとはいえ、IT業界もまだまだ花形といえます。それなのに、プログラマを目指す人が減っているのは、どうしてなのでしょうか。


もちろんここでの統計情報はプログラマだけではありませんが、この記事ではプログラマを希望する人という観点で私なりの減少の理由を考えてみたいと思います。なお、記事中「昔の」とあるのは、最初のマイコン全盛時代だった、20〜30年前を示しています。

プログラムを作る喜びが減った


自分が何かを始めるきっかけって何でしょう。人によって理由は様々だと思いますが、それに対して何らかの感銘を受けた、楽しかった、感動した、といったことがあったから、やってみようと思ったのではないですか!?


昔のプログラミング環境は今と比べると、とても貧弱なものでした。CPUパワーもI/Oも非力なコンピュータでは、ちょっとしたことでも、かなりの努力を必要としたものです。それゆえ、苦労して作ったプログラムが動いた時の感動は、かなりのものがありました。システムも小さいので、まさにコンピュータを操っているという感覚があったように思います。


今はプログラム作成に昔ほど苦労することは少なくなりました。優れた統合開発環境や、情報もネットに数多くあります。でも、そういう環境下でのプログラミングは、作るというより、作らされているという感じがします。

プログラミングを始めるハードルが高い


実際にやってみようと思った時、すぐに使う環境がある、というのは大事なことだと思います。


最近はいろいろな開発環境がありますが、やはりプログラムといえばVisual Studioなどで作ると思っている人は多いと思います。Visual Studioを始めて見た人はどう感じるでしょうか。プロジェクトの新規作成に現れる多くの選択肢、膨大なMSDNヘルプに圧倒されるのではないでしょうか!?


他の開発環境もパソコンに標準的に入っているWordやExcelのように気軽に使える感覚ではありません。昔は電源を入れるとすぐにBASICが使えました。BASICがいいとは言いませんが「やってみようかな」と思った時に、すぐ使えることは意義があったと思います。

プログラミングを学ぶ機会が少ない


プログラミングに触れるきっかけそのものが減っていることを感じます。


昔はコンピュータを使う=プログラムを書く、だったので、パソコン講座などでもプログラミングを学ぶ機会が多くありました。でも最近はプログラミングを学ぼうとするのは、かなりマニアな人ということになってしまいます。本屋さんのコンピュータ関連を見ても、それは明らかですよね。

プログラムを作る必要がない


自分でわざわざプログラムを作る必要は少ないです。必要がなければ、学ぼうとする人は減りますよね。


ハード及びソフトが貧弱だった時代は、何かやろうとすると、まず作ることから始める必要がありました。ネットが発達したおかげで、フリーソフトなども手軽に手に入ります。自分でプログラムを作る必要はほとんどないと言っていいでしょう。


もちろんこのようなソフトウェアは誰かが作っています。でも、自分で何か作ろうと思っても、すでにネット上に優秀なソフトがあったら、自分で作る意欲はなくなってしまうでしょう。

今に望むこと


プログラマが減ったのは、実はソフトウェア技術が進歩したせいかもしれません。人海戦術に頼らざるを得なかった昔と違って、今は多くのことを実現する環境やソフトウェアがあります。もしソフトウェアを作る上で必要とされる人数が減っているのであれば、それは健全なことかもしれません(そうは思いませんけど)


でも、仮にそうであったとしても、プログラマが減っているのだとすれば、それは悲しいことです。自分がプログラマということもありますが、こんなにも楽しいことが知られることなく埋もれていくのは残念に思います。


ソフトウェアの世界は奥が深く、とても面白い世界です。一人でも多くの人がこの楽しさに触れることが出来て、人が増えることでソフトウェア技術がより発展していくよう、願っています。


あなたのまわりに、プログラマさんは何人いますか?