プログラマyasuhoの隠れ家

某ソフトウェア企業に勤務するおじさんプログラマyasuhoです

MSXの方向性


1983年8月のASCIIに、マイクロソフトアスキー共同のMSX記者発表の記事を見つける。


1970年代後半から1980年代前半のパソコンは、まさに激動の時代だったね。
ASCIIを見ると、この時代、数ヶ月に一回は新しいコンピュータが発売されている。
当時のパソコンは互換性どころか、CPUもアーキテクチャも千差万別。
よいソフトのためには、ハードごと購入する必要があった。


そんな中、ハードウェアとソフトウェア仕様を規定したMSXの方針は正しかったし、現在でも十分通用する思想だ。
現代のPCにおける、ハードウェア規格の共通化、ソフトウェア実行環境としてのプラットフォーム、Plug and play.
これらはすでにMSXで実現されていた。


この号のアスキーに掲載されている、MSX特集から一文を引用しよう。

互換性、拡張性に優れたホームパーソナルコンピュータ


パーソナルコンピュータが一般家庭の中で普及するためには、コンピュータにまつわる様々な規格をある程度標準化・簡易化し、コンピュータの操作に関する知識を一つの文化として形成する必要があると思われる。
つまり、我々がテレビやラジオの操作法を誰にも教わることなく使いこなしているように、最終的にはパーソナルコンピュータも、例えマニュアルがなくても操作を始めることができる位の簡易性が要求されることになろう。


惜しむらくは、ゲーム機としてファミコンと競合してしまったことか。
ホームコンピュータにするため低価格も目指したためか、最初のMSXは当時のパソコンに比べても、かなりチープなグラフィックスであり、とてもファミコンに対抗できるものではなかった。
その後MSXはバージョンアップを重ね、かなりグラフィックスやサウンドもよくなったものの、最初についてしまったイメージを払拭することは難しかったと思われる。
MSXがゲーム機ではなく、ビジネスアプリのプラットフォームとして使われていたら、現在の状況は変わっていたかもしれないね。


もしも1チップMSXが組み込みの分野で使われるようになれば、ちょっと面白いかも。