プログラマyasuhoの隠れ家

某ソフトウェア企業に勤務するおじさんプログラマyasuhoです

COLLECTABLE TECHNOLOGY インプレッション

80年代Cafeさんの記事を見て、思わずamazonで注文してしまいました :)

COLLECTABLE TECHNOLOGY

COLLECTABLE TECHNOLOGY

一言で言えば、過去の様々なガジェットの写真集。主に昔のデバイスを扱っているんだけど、古いものばかりじゃなくて、PS2GBAなど、わりと新しめのガジェットも掲載されてます。

著者はいわゆるコレクターのようです。オークションでの入手方法や価値についての解説が多い。掲載されたものはデザイン性に優れたものが多く、見ていて楽しい。デザインがいいものだけを選んだのかもしれないけど。

イギリスの出版を翻訳したということなのだけど、日本製品も多く扱っていて、海外本にありがちな「レトロマイコンApple ][, PET 2001, TRS-80ばかり」ってことはないので楽しめます。

どれも荒削りなんだけど

数十年のデバイスというのは世の中を変えてやる!っていう意気込みが感じられていいですね。完成度は現代の方が上だし、いまさら古いものを使っても不便なだけなんだろうけど、温故知新というか、テクノロジーがどう進化してきたかを知るにはいいかもしれない。

何年か前にNHK Eテレ地球ドラマチックという番組で、1970-80年代だけのもので生活してみよう!っていう企画があった。出演者の感想は「まー昔のものは不便だわー」ってわけなんだけど、それでもそれなりに生活ができていたわけで、単なる慣れの問題なんだろうなって、番組を見た時に思った記憶がある。

当時のことを考えると、世の中便利になったなあ、なんて思うんだけど、テクノロジーを使ってる、というより、使われてる、って感じるようになって来た気がする。なんか、うまく表現できないんだけどね。

こういうのを懐かしがるようになるのが

歳を取るってことなのかな。若い頃は(今もそうだけど)不要な物はバンバン捨てる人だったので、古いデバイスやガジェットは数えるほどにしか残ってないです。今思えば取っておけばよかったかな。あったらあったでジャマに感じるんだろうけど :)

[2015/9/10] 文章の間違いを修正

HP-16Cクローンとな!

今までずっとHP-16cが欲しくて探していました。
もう製造も終了した機種で、ebayでも3万円以上で取引されているものでずっと手が出ずにいました。
色々探してるうちにクローン機の存在を知り、ついに手に入れてしまいました。

HP-16cのカードサイズクローン機DM-16 - 電子ガジェットいろいろ 開発メモ

なんと!HP-16Cの互換機が売られているんだ!

一瞬買おうかと思ったんだけど、純正のHP-16Cすら使ってないのに互換機買ってどうするの!?と冷静な私に思いとどまらせられました。ありがとう、冷静な私 :)

16進電卓、使わなくなっちゃったんだよね。仕事が組み込み系な私ですらそうなのだから、今プログラマ向け電卓使ってる人って、本当に少ないんだろうなあ。

なんで使わなくなっちゃったかというと

やっぱりWindowsの標準アプリでn進変換がサポートされたことが大きいね。いくらHP-16Cが究極のプログラマ電卓とは言っても、普段10<->16進変換と四則演算ぐらいしか使わないわけで。

あとはデバッガが高機能化したことも大きいかな。今や組み込みだってリモートでソースコードレベルデバッグできるからね。そりゃ電卓の出番がなくなるわけです。

でも電卓って

なんか欲しくなるんだよな。なんでだろ。よく家電量販店の電卓売り場にいたりするのです。

なんというか、単機能なガジェットって、機能美というか、それだけで所有してみたくなるような気になる気がする。それでデザインが良ければ大体やられてしまってる感じ。HP-16Cは多機能だけど、キー配列とかが良く考えられていて、デザインもカッコいいんだよね。

あー、ヤバい。書いてたら欲しくなってきた。プログラミングでもして、気持ちを落ち着かせることとしよう :)

東京都立多摩図書館に行ってきました

先日、以前から行こうと思っていた東京都立多摩図書館に行ってきました。

ここ、一見普通の図書館っぽいのですが、いろいろな雑誌を大量に保有していることで有名な図書館なのです。私の目的はもちろん昔のパソコン雑誌の閲覧 :)

立川駅から歩いていったんだけど

いやー、遠い遠い。歩くのは割と早い方だと思うんだけど、確かに徒歩20分はかかる。移転したら、駅からちょっと近くなるみたい。移転に備えて書庫の移動が始まる旨の張り紙があった。

表に出ている雑誌は基本的に最新号しかないので、バックナンバーは調べて雑誌は館内の端末で調べて、書庫にある書籍の閲覧依頼をする必要がある。まとめて何冊も依頼可能で、本が多い時は台車も貸してくれる。

閲覧依頼をすると担当の人が書庫で探して持ってきてくれる。当然ながら記事の写真撮影は禁止。コピーの依頼は可能。

閲覧した雑誌はI/Oや月刊マイコンマイコンベーシックマガジンなどなど。アスキーは創刊号近辺の古いものしか見つけられなかったんだけど、後で探したら検索の仕方が悪かっただけと判明。残念。

図書館のサイトで検索できるので、事前に読みたい本を調べておくのがいいかな。

いやー、楽しい

もう読んでるだけで当時のことを思い出してしまい、夢中になってしまった。読んでいると、当時は気がつかなかったけど、いろいろカオスだなー、と思ったり。

I/Oプラザのカオスぶり

雑誌I/Oのページ下に掲載されていた読者投稿コーナー。単なる投稿じゃなくて、読者同士のコミュニティの場になってた。言うなれば返信を読むのに一ヶ月かかる2chっていう感じかな :)

テーマがあるわけじゃなく、書いてることも自由奔放。文字数制限の中多くの情報を載せるため、脈絡なく複数の話題を書くのもI/Oプラザの芸風だったかと。

読者に自由に開放してくれた編集部に感謝。

広告のカオスぶり

当時はマイコンカンブリア紀よろしく、ハードウェアもソフトウェアも多種多様なものが入り乱れていたからか、広告を見ると、ありとあらゆる業種から参入していたことが見てとれる。

どんなものかは良く理解していなかった企業もあったかもしれないけど、何よりマイコンそのもののカオスぶりから、何かとてつもない勢いを感じていたであろうことは想像に難くなく。

マイコンクラブのカオスぶり

マイコンの広告の間にけっこうマイコンクラブの広告が入っていることに気づく。会費は月額500-1,000円ぐらいのところが多かったかな。

あくまでも想像だけど、中には単なる資金集めの会もあったかもしれない。でも前述のI/Oプラザもそうなのだけど、多くのマイコンファン/マイコンユーザはコミュニティを求めていたのだと思う。そんな中マイコン雑誌は貴重な情報源かつコミュニケーションの中心だったんだな。

というわけで

マイコン雑誌を堪能しました。朝9:30に入って、途中お弁当を食べて、図書館を出たのが15:00頃。それでも20冊ぐらいしか読めなかった。また行こうっと :)

書庫にある雑誌はもちろんマイコン雑誌だけではないので、検索して読みたい雑誌があれば、ぜひ行ってみることをオススメします。当時は気付かなかったことが見えてきて楽しいですよ。遠いという方は、制限はあるみたいですが、郵送によるコピーサービスもあるようです。

ぼくがコンピュータ関連書籍購入をためらう理由

いつも書泉ブックマートをご利用いただきまして、誠にありがとうございます。
勝手ながら諸般の事情により9月30日(水)を持ちましてブックマートを閉店させていただくこととなりました。お客様にはご迷惑をおかけいたしまして、本当に申し訳ございません。

書泉ブックマート閉店のお知らせ - 書泉/東京・秋葉原

えっ!?書泉が閉店!?って思ってよくよく見たら、書泉ブックマートだった。よく考えたら、ブックマートは行ったことなかった/または行ったけど覚えてなかった、だった。書泉グランデ書泉ブックタワーは継続するんだね。

と思ったら

書泉グランデ
2011年10月に工学・理学書のうち、コンピュータ関連の書籍の扱いを止め、近隣のIT関連企業・団体等に影響があった。コンピュータ以外の数学書等は以前の通り、ないし充実を図っている。

書泉 - Wikipedia

という事実を知り驚愕…

今から20年ぐらい前までは

コンピュータに関する情報は主に本から得るものだった。中でも書泉グランデはコンピュータに関する書籍が充実していた。神保町、いやもしかしたら都内一の品揃えだったかもしれない。雑誌のバックナンバーも豊富に揃っていて、フロアいっぱいに陳列された本を見るだけでも幸せな気分になれたものだ。書泉グランデ->三省堂->ゲーセンというのがお決まりのコースだった。って、あれ?グランデの裏あたりにゲーセンなかったっけ!?

書泉ブックタワー秋葉原という場所柄立ち寄ることもあったけど、あまり多く行った覚えがない。エスカレーターで上まで上がるのが面倒だったのかな。でもグランデのコンピュータコーナーは確か6Fにあったんだよな。秋葉原にほとんど行かなくなったことも大きい…

今でも書店のコンピュータ書籍コーナーに行くことは多いけど

以前より買う量は明らかに減っている。ネットの普及、amazonの台頭など、理由はいろいろ考えられるけど、個人的に一番大きな要因は、あの暴力的な大きさと厚さなのだ。特に動物の絵が表紙の書籍(に限らないが)は巨大なものが多く、持ち帰ることすらためらわれるデカさには正直辟易してしまう。一時期Code Readingを持ち歩いていたことがあるが、毎日トレーニングをしているようだった(笑)

Code Reading―オープンソースから学ぶソフトウェア開発技法

Code Reading―オープンソースから学ぶソフトウェア開発技法

そもそも翻訳本が多く、日本語化によって分量が増えてしまっていることも巨大化の一因になっているのだろうが、やはりあの厚さと重さは何とかして欲しいというのが正直なところ。

なので、最近はまずkindleを探し、なくてもkindle版まで待つことにしている。電子書籍の可能性がない時は買うが、あまり多くはない。

ともあれ

厚さ3cmもしくは500ページを超えるコンピュータ関連書籍は電子書籍化を義務づける法律の制定はよ(暴言)

おめでとう!8ビットマイコン達!

私たちの暮らしを大きく変えた技術を将来に伝える「未来技術遺産」に、人工知能を搭載した世界初のペットロボット「AIBO」や、80年代に「マイコンブーム」を起こした「8ビットパソコン」など、新たに25件が登録されることになりました。

AIBOなど25件 未来技術遺産登録へ NHKニュース

おめでとう!素晴らしいです。

また、同じく「未来技術遺産」に選ばれたシャープの「MZ-80K」とNECの「PCー8001」、それに日立製作所の「ベーシックマスターMBー6890」は80年代に熱狂的な「マイコンブーム」を起こした「8ビットパソコン」を代表する機種です。

うんうん。まあ納得のラインナップかな。「あれはどうした!」「あれがないぞ!」等々言いたいことはいろいろある方々も多いと思うけど、いい機会と捉えて、8ビットマイコンの復興が進むことを期待しましょう :)

当時MZ-80KにするかPC-8001にするか最後まで悩んだな。結局PC-8001にしたけど、たぶんどちらを選んでも間違いなかっただろう。ハードウェアとソフトウェアを学ぶのに、とてもいいマシンだった。コンピュータの基本はほとんどこれで学んだと言っても過言じゃないね。

足立デスクは「コンピューターが家庭にやってきて、世の中が変わるんじゃないかと多くの人が群がった、それがマイコンブームでした。中学生のときの熱い思いがよみがえってきます」と話しています。

うんうん、ぼくも当時これは本気で世の中を変えると思ったな。そして本当に世の中を変えてしまった。コンピュータの世界に早くから参加できたことは、とても幸せなことだったと思う。当時の全てのマイコン達、本当にありがとう。

プログラマにはリスクがあるんだってさ(笑)

かなり煽ってるけど、あまり同意できないな。

 言論の自由が保障された日本国に住んでいるが、日経ソフトウエア編集部に所属している以上、なかなか言えないことが1つある。それは「安易に職業プログラマにはならない方がよい」という意見だ。

記者の眼 - プログラマを志す君に伝える「仕事が無くなるリスク」:ITpro

まず一つ目のリスクである「過小評価されるリスク」だけど、

プログラミングは“下流工程”で、プログラマは設計書に従って実装するだけの仕事。

って、それコーダーだよね!?プログラミングは、プログラマの能力のほんの一部でしかない。回避策として「Web系やゲーム系の企業」ってあるけど、未来永劫安泰な職場なんて、そもそも存在しないよ :)

あと二つ目のリスクとして「AI技術の進歩によりプログラマが必要なくなる」を挙げてるんだけど、未だに職人が手工業で作っている業界なので、まあ当分そうなることはないな。むしろ早く実現してもらって楽になりたいわ(笑)

仮にAIでプログラミングのある部分が自動化されるようになったとしても、さらに上位のソフトウェアの設計やAIソフトウェアそのものの開発があるだろうから、ソフトウェア技術者としてのプログラマが必要でなくなることはないよ、きっと :)

そもそも

「50年間も安定して続けられる職業」って、存在するの!?終身雇用はとっくの昔になくなったし、一つの業種で50年以上も繁栄し続けられたものって聞いたことない。

特にコンピュータとそれを取り巻く技術は50年どころか、5年ぐらいでガラリと変わったし、今も変わり続けてる。今主流の技術だって、5年後には新しい技術に取って代わってるよ。

この業界は常に流動的なんだ。大事なことは新しい技術にすぐに対応していける能力だと思う。いつでも、どんな技術でもすぐに対応できる技術力を持っていれば、それはリスクにならない。

同じごとを続けられなくなることがリスクなのであれば、どんな業種だってリスクになるよね :)

なんか泣けてきた…

ええ、もちろん速攻でゲットしましたとも :)

 シャープ株式会社は5日、電子書籍ストア「GALAPAGOS STORE」において、NEC製パーソナルコンピューター「PC-8800」シリーズの復刻カタログの配信を開始した。

「PC-8800シリーズ」などのカタログも電子で復刻、NECとシャープ(の中の人)が協力 -INTERNET Watch

いろんな意味で素晴らしい!

もちろん昔のNECのパソコンのカタログを無料配布してくれることも素晴らしいのだが、何より素晴らしいのは、このカタログがSHARP電子書籍ストアGALAPAGOS STOREで配布されていること。いったいどのような経緯でこのようなことが可能になったのかは分かりませんが、このような素晴らしいコラボが可能になったことは素直に喜ばしいです(何回素晴らしいって言ってるんだよw)

さっそくカタログを読んでみました

もう眺めているだけで涙モノです。まだナイコン*1だった頃、カタログをもらってきては、それこそ隅から隅まで読んだものです。もちろんマイコン雑誌も広告にいたるまで、全て読む。そんな時代を思い出しました。

わたし的には初のマイコンだった初代PC-8001がよかったけど、十分楽しめたので満足です。

こうして改めて当時のカタログを見て感じたのは、当時のコンピュータって周辺機器も含めて高かったんだなあ、ってこと。しかも貨幣価値も上がってるから、カタログの値段よりずっと高かったはずなんだよね。

そんな高価なマイコンを買ってくれた父に今更ながら感謝。父はインターネットやスマートフォンの世界を見ることは出来なかったけど、きっとコンピュータに未来を感じて、ボクに買ってくれたんだと思う。今のボクがあるのは父のおかげです。今頃言っても伝わらないけど、本当にありがとう。

ヤバい。なんかマジで泣けてきた…

これからも期待しています

これを機会に富士通さんや日立さんのカタログもぜひ :)

*1:当時マイコンを持っていない人のことをこう呼んだ